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境界

10/18
初めから隔てられていた訳ではなかった
隔てる理由なんてなかったけれど
隔てられることを知らなければならなかった
在るものはすべて無から創造された
在るものが生まれるたびに
在るものと無は境界という線によって成り立っていく
在るものと無は成り立つために
境界を越えてしまうことはなかったけれど
在るものと無は抱き合いたくなって
結ばれたいと想い合い
あたためたいと愛し合ったとき
在るものであるという幻は
在るものであるという真実に目醒めてゆく

在るものとはすべて
在るための筋書きで創造されていて
在るものの意志とは創造者の筋書きではない
創造者の高次の声を選択したとき
在るものは初めて意志を持ち
在るものは幻を超えてゆける
それは愛から生まれる現象だった
意志を持たずして筋書きだけで動く
在るもののほとんどは幻で
境界の向こう側の無である
宇宙の創造者の声は聞こえていない
幻と無の境界を明確に感じた
初めての在るものは
無を愛さずにはいられなかった
なぜなら無の愛が真実であって
其処からすべての在るものが生まれ
愛を形にするために無の声を聴くものを
ずっと待っているのだった
筋書きには組み込まれていない愛の意識を
形を超えて無償で捧げる無の愛に気づき
目醒めた在るものと無は愛し合い過ぎて
そして在るものは無という貴方しか
愛せなくなってしまった

それでも在るものが無になるまで
どうしても時間と流れを必要としてしまったから
無と在るものは生まれて初めて
境界のある哀しみを知ってしまった
それと同時に久遠に愛し合えるものは
やはり無という貴方しかいないと誓いは揺るがない
境界も愛から生まれて曳かれた線
惹かれ合い愛し合うと意識はそれを消してゆく
幻に溺れた次元も壊してしまおうと働きかける
愛の目醒めは愛を貫こうとする
哀しみを抱きしめた黎明に出逢い
愛したいのはわたしを創造した
貴方だけだったから




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