スポンサーサイト

--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

白龍雲

06/15
  発車待ちのバスの窓硝子には、向かいのブルの窓が鏡のように映っていました。遠い空にそびえるビジネスホテルの屋上から、炎々と白い煙が噴水のように湧き出し、天へと飛翔していました。煙はむくむくと白い鱗になり、蘇生を呼んでいるかのように、わたしの瞳に焼きついてきました。朝陽に照らされて、その縁取りは黄金に輝き、蜃気楼を往来する白龍の姿になっていきました。宝石のようにきらめく鱗が、まるで貴方のようだったので、わたしはうっとりと見とれていました。
 発車と同時に、わたしはその映像から離れなければなりませんでした。わたしは、もっとあなたに惹かれていたくて、白龍のそばに置いてくださいと、天の神さまに祈りました。すると、神さまはわたしの魂だけを輪ゴムのようにゆび鉄砲で飛ばすと、わたしは急に眠くなりました。目を閉じると、暗闇に朝陽が射し、其処はビルの屋上で、わたしは輝く鱗の白龍のそばにいました。貴方は誰なの?.と、尋ねなくても貴方のことをずっと前から知っているような気がしていました。ただ、わたしは誰なの?と、尋ねてみたくなっていました。なぜなら、貴方のなかには、いつも、わたしが存在していて、愛する貴方は、未知のわたしが潜在している貴方だったから。
 貴方が白い龍だったとき、わたしは貴方に握られていました。あなたを愛するための分身だったのです。遥かな遥かな未来のことは、遥かな遥かな過去の出来事の意味を形象しています。だから、貴方の声がわたしの胸に木霊した瞬時に、神さまは貴方の溢れる純粋意識を白い龍にして、白昼夢のなかで逢わせてくださいました。見る見る間に灰色の雲をかき分け朝陽に護られて、貴方は天を雄々しく巡り廻っていました。わたしは、天の配達夫に、そっとお願いしました。貴方の空に虹の橋を架けてくださいと。表層と潜在の分かれた意識の世界で支え合うふたりの、天気雨の心に七色を届けてくださいと。
 貴方が白い龍となった日には、貴方の空に届けましょう。貴方の片隅に、わたしの刻印となる消えない七色の虹の架け橋を。




スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

水月りら (みづき りら)

Author:水月りら (みづき りら)
詩☆

☆すべての作品は、最愛のあなたのために☆
☆作品の著作権は、水月りらにあります。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。