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一行のあなた

06/09
あなたをどこかで見かけたことがある 
どこだったのかしら いつだったのかしら 
窓の明るさだけ忘れているような

あの日、読んでいた本のページに 雪のように舞い踊り 
歩く早さの韻律でならぶ文字 足跡を口ずさんでいるように 
故郷で泥まみれに遊んでいた あの頃の春を呼んでいるような 
剥がれそうな記憶を塗りかえていく なつかしい一行は

百冊まえに読んだあの本に綴られていたのだろうか 
二百冊まえのページだったのだろうか 
ううん、これから手にとる本の未知のページで眠っているような 
或いは、何億冊の本を読んでも出逢うことのないような 
失ったパズルのピースのように 
ほかのピースでは埋め合わすことができなくて

一行では語り尽くせないあなたを
一行のあなたに喩えてみたくて
一行のあなたから

ひとのからだを巡る血の薫りが、めくるページの指先に滴り
波打つ鼓動が傷にうずく拍動に共鳴している 
触れるだけで心地よい微熱がなまあたたかい湯気のように拡散する 
生まれるまえから包まれていた体温のように
命尽きても唄いつがれている芽吹きのような

一行のあなたに

南極と北極を結ぶ地軸のように あなたを廻る軌道は 
永久に六十六・五度傾いて 止むことなく地球は自転を繰り返す 

一行のあなたを探して

太陽を公転する 色褪せない惑星のように
物語を語り継ぐ銀河のように 綻びを知らない 

一行のあなた 






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