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桜 櫻 さくら しぐれ

06/03
桜しぐれ

結び髪を ほどいたら
ひとたばの髪は ひとひらずつ
しなやかに ほどけて
扇のひだを 織りなして
腰をつたう いくつもの花しずく

花露こぼれた あなたのてのひらに
そっと そっと……




Part 1

蒼い空を見つけた その瞬間(とき)から
止まらない 胸に押し寄せる
いくつもの荒波の雲はかすみ
指先までひびいて
握りこびしをひらいたら
いつつの花びらその行方

空に触れるのは いけなかったのね
宙(そら)に浮かぶのは いけなかったのね
ここで咲きこぼれる宿命(さだめ)を 破り
飛んでいくのは いけなかったのね

桜風が ふいたなら
散って あなたに近づいて
散って あなたに手をかさね

召されるところが 天でなくても
枯れ果ての道を 歩いても

眠れる空の夢の中で
ほんのひと時 肩にもたれたら
朝焼けなんて なくてもいいの

桜雨がしぐれたら
散って あなたの涙を拭い
散って 花のしまきに消え

こゆびの爪ほどの 花びらを
あなたのかたすみに 
忘れないでいて……




Part 2

見つめられたそよ風の
さしのべられた手にいざなわれ
ひとまわりする風の環に
ふるえた鼓動 胸に手をあてて

かたむき慕うそよ風に
花びら捧げていけるのなら
散っていくことすら惜しくはないの
やわらかな風に吹かれましょう

  散って
     散って
         散って
            散って

報われなくても花を咲かせましょう
わかれた枝の樹液を微熱にからめ
焦がれてふくらむ桜の実






Part 3

百年の流れる時代(とき)に
春になったら生まれましょう

翠雨(あめ)がみどりの黒髪に
水玉の鏡のしずくを残す
翠風(かぜ)に葉をふるわせ 
かさかさと詠んでいる

黄金(こがね)の薄日に反射して
秋の夕陽色に染まる琥珀の瞳
さやさやと風に微笑して葉を落とす

木枯しを裸身で受けとめて
枝に降り積もる雪の華化粧
目にもとまらぬ蕾の子を守り

百年の巡る季節に
春になったら咲きましょう

幾重にもかさなる時空を越えて
全身をながれた樹液は
あなたの夢の色となるために
心煮つめて指先に咲くために
想い 想い 想いながら

百の蕾をひとつずつ ふくらませ
千の華がひとつずつ ひらいては
あなたの青空にまわる桜の万華鏡
花冷えの暗闇に桜色のつらなる波を呼ぶ

一寸の出逢いをあなたに届けましょう
そばで見守っていましょう
遠くの後ろ姿 花霞のように
あなたに振りむいていましょう
百年後にまた逢えるでしょうか

桜雨に うたい しぐれて
花風に あそび ふぶいて
         
むすうの花びらは
揺れて 舞いながら
最期のときを真珠色にひかり
散り落ちていくのでしょう

涙にぬれた あなたの頬に
そっと そっと……






櫻しぐれ

春風はあなたの吐息
あなたの呼吸で目を醒ます
ずっと夢を見ていた蕾は
ひとひらずつ夢を捨てながら
夢のような花びらひらく

陽光はあなたの囁き
あなたの囁きで桜色を想い出す
ふくらくむ蕾に封印されている
何百年の樹齢の生きた証
無数の花に籠められている

青空はあなたの姿
あなたの広さに咲き乱れて
あなたの深さを抱きしめる
何度生まれ変わっても
櫻はあなたの永遠を覚えている

朧月はあなたのぬくもり
闇夜をやわらかに包み込む
夜露の沁みるやさしさは
花冷えが伝えてくれる
泡沫の肌寒さは櫻のため

あなたに愛されて散ってゆく
風の吐息にくちづけながら
素肌をあなたの色に染め
時を葬るあなたの影に
ひとひらひとひら墜ちてゆく

過去の花びらも未来の花びらも
今の此処にしかないことを
あなたは知っている
あなたは櫻の夢の創生者
花吹雪はあなたの願い

櫻(はな)の世から時雨れて消えて
櫻は 久遠の形 無の花の
あなたのところへ舞い降りる





さくらしぐれ

さくら ちらちら まう
はなかぜに ちらちら まう
いくひらの はなびらのすきまから
きえそうなわすれものに てをかざす
あおいそらが ちぎれてゆく
まばゆいひかりに ゆめはちる
まう はなびらに ほどけたきおく
しんじゅいろに しぐれちる

さくら ちらちら まう
おぼろつきよに ちらちら まう
ひとひらの はなびらにうつろう
うすれたなくしものに さまようよ
ぐんじょういろのやみに とけていく
ぼやけたあかりに ゆめはわれ
まう はなびらは もどらぬはへん
うすらいのごとく くだけちる

さくら ちらちらまう
はなのあらしに ちらちら まう
いくひらのはなびら はなふぶき
ほのかにくるう うつろなやまい
てのひらに ぬるくこぼれおち
みあげると あなたは
とおい はながすみ
まう はなびらの まぼろしあわく
みなもにゆれる はないかだ









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