スポンサーサイト

--/--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

06/02
水面に何かが落ちて
幾重にも広がる波紋のように
せせらぐ川の向こう岸から
きみの声が鳴り響く
瀬音とかさなり
いつまでも明るい夕暮れの
和らぐ太陽から溢れ出る
燃え滾る雫のように
手のひらにこぼれ落ちてくる
その声に途切れた文明の
切れ端を憶い出すのはきみが
土の中にいた沈黙の調べを濡らし
羽根を擦り合わし最善を
尽くしているからなのだろうか
幸せを追いかけて栄えた豊穣には
心の微笑は見つからない
衰退への甘受に隠されている
その気宇を無心に探しているのに
人工の煌きに
美の感覚を奪われていた
遠い過去からの繰り返し
滅びてはまた築く
儚い維持の業への赦しのように
飛沫のように迸るきみの声
人はそれを蝉時雨と呼んだ
あまりにもの哀しく
冷めたぬくもりに囁くように
眠らない魂を慰めて
鳴き尽くすきみの数日
ほんとうは何百年もの時間を
その唄に捧げている
土の中にいた長さなどほんの数秒に
書き変えてしまうほどの
命の限りにすべてを賭けたきみの姿
灼熱の風を浴びるほど
無性にきみに逢いたくて
その声に棲む精霊に触れたくて
瀬音のほとりに佇む夕暮れ
どこかの枝から落下する一匹の
蝉の気配を夕陽は傾聴する






スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

水月りら (みづき りら)

Author:水月りら (みづき りら)
詩☆

☆すべての作品は、最愛のあなたのために☆
☆作品の著作権は、水月りらにあります。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。