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落陽

05/13
沈みはじめた夕陽の
焦がれた真紅が散らばる
地平線に響く鼓動は
まどろみの扉をひらく
意識の抜けたからだの
休まるところ
顕在しているものは
やわらかな腕に包まれて
眠りのなかの
夢とつながる架け橋を
しゃぼんの泡のように浮かび
計り知れない脳裏の
潜在しているものたちに
傷を癒されてゆくのだった

きっと誰しも
素敵な夢を見るために
生まれてきたのだろう
そんなことを思い出すために
太陽は地平線に近づくと
青や紫の届かぬ光を
大気に埋めて紅くなる

鳥も木々も水面も
街の高層ビルも人の姿も
夕焼けを浴びると影絵になる
その黒い輪郭が
形あるものの真の姿なのだろう
淋しげに瞳を濡らして
何かを犠牲にしながら
息を継ぐ心の襞を映し出す
夕陽は澱を照らすための光だった

眺めているだけなのに
こんなにも懐かしく
愛しい人に微笑むように
やさしくなれる
昨日の夕陽を覚えていても
明日の夕陽と逢いたくなる
何度も出逢っているのに
はじめて出逢ったような
未視感(メジャヴ)に漂いながら
凪の静寂に溢れだす
生まれたときに
握りしめていたもの
それは夕陽だったのかもしれない
誕生した瞬間に手をひらき
日の暮れを手放して
産声をあげていた

巡る血潮が夕陽とおなじ
紅い色なのは手放したぬくもりを
何度も噛みしめるためなのだろう
悔恨も悲嘆も怒りも溶かして
目覚めと共に忘れたものは
翼になって昇天する
絡み合う混沌を慈しむ心が
真実のあなたなのだと





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