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わたつみの文

03/06
小壜に手紙を入れて
笹舟を浮かべるように
わたつみにそっと流したのは
月のしずくが奏でる秘密です

手紙は漣に揺られて
沖へと流れてゆきました
気まぐれな高波に呑まれて
海底に沈みあなたのもとへ
届くことはないのでしょう

ほんとうのことを話したら
泣きたくなるばかりのわたしは
砂を噛む仮面を被り
不器用な踊り子になり
何気なく傍にいたいと思ったのです

開いてはならない扉の鍵も
行方の探せぬ海に葬りましょう
海鳥の声がしきりに呼んでいるのは
答えを求めているのではなく
憶えているから鳴いているのでしょう

橙色の澪標はふたりの孤独のために
途切れた出逢いを結ぶ徴(しるし)です
溢れる波折りを押し殺し
伝えることは砕けた小さな破片です
伝えないことも愛だと分かっていました
伝えなくても伝わることは
もっと深くて消えない愛だと知りました

小瓶に手紙を入れて
わたつみに眠らせたのは
砂を吐いた貝殻の秘密です
今宵も海霧のように
月を霞めていてください









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